私がMaison MargielaのIDブレスレットを選んだ理由

Maison Margiela（メゾン・マルジェラ）というブランド名を聞いて、どんなイメージを思い浮かべるでしょうか。ジョン・ガリアーノ期から四つタグがすごくフォーカスされているように感じるものの、匿名性、再構築、静かな革新といったブランドの精神を、さりげなく体現するアイテムのひとつが「IDブレスレット」だと思います。

毎シーズン少しずつ素材や加工などが変わってはいますが、Maison Margielaの定番アクセサリーです。

ブレスレット自体はめちゃくちゃシンプルで、無駄な装飾は一切ありません。当然ブランドのアイコンとなっている四つタグもデザインされていませんが、だからこそ？マルジェラらしい哲学が感じられるアクセサリーだと思っています。

今回は、大人のスタイルにこそ馴染む、Maison MargielaのIDブレスレットの魅力をレビューしていきます。

Maison Margielaとは

Maison Margielaは、1988年にベルギー出身のデザイナー、マルタン・マルジェラによって設立されたフランスのファッションブランドです。その最大の特徴は、“匿名性”と“再構築”を基軸とした独自の美学にあります。

創業当初から、マルジェラは自身の姿を公の場に一切見せず、インタビューも控えるというスタンスを貫いてきました。ブランドの顔を隠すことで、「デザイナー個人ではなく、純粋にモノそのものに目を向けてほしい」という哲学がそこには込められています。

また、ヴィンテージや古着の素材を再構築し、現代的なプロダクトへと昇華させる手法は、多くのデザイナーに影響を与えてきました。裁ちっぱなしの生地、裏返しの縫製、未完成に見えるディテールも多いのが特徴です。

2014年から10年ほど、ジョン・ガリアーノがクリエイティブ・ディレクターを務めブランドの精神を継承していましたが、2025年1月からはグレン・マーティンスが就任しています。

Maison MargielaのIDブレスレットの特徴

冒頭でもお伝えした通り、無駄な装飾が一切ないシンプルなデザインにも関わらず、ファンに長く愛され続けているMaison MargielaのIDブレスレットの特徴についてご紹介していきます。

無駄を削ぎ落としたミニマルなデザイン

Maison MargielaのIDブレスレットは、無機質でミニマルなルックスが特徴です。装飾を極限まで排し、シルバーやブラス（真鍮）をベースとしたシンプルなプレートとチェーンの組み合わせが印象的です。

私が購入したのはシルバーの素材ですが、シーズンによって素材や加工が異なるようです。

“匿名性”と“アイデンティティ”の融合

IDブレスレットは、戦争時に兵士が死亡した際に自身の身分証明をできるように身に着けていたアイテムでした。

その歴史背景から、IDブレスレットは自らの名前や情報を示すためのものであるのですが、Maison Margielaはブランドの象徴である「匿名性」から、あえて“名前を明かさない無記名のプレート”とすることで、より強い個性を表現していると感じます。

スタイルを問わない、洗練された佇まい

私は普段COMOLIやYAECAのような比較的ベーシックで普遍的なデザインと、変に気取らないユルめのシルエットのスタイルが好きです。MargielaのIDブレスレットは、私のようなミニマルなスタイルにはもちろん、もう少しキレイ目なコーディネートにも馴染みます。

ユニセックスなデザインなので、男女問わず着用できると思います。シンプルなデザインながら、ブレスレットとしてはそこそこボリューム感があるので、これを身に着けるだけでアクセントになってくれる万能なアクセサリーです。

まとめ：大人だからこそ似合う「静かな主張」

Maison MargielaのIDブレスレットをご紹介しました。

本当に気に入っているアクセサリーです。冬はなかなか着用する機会がなかったのですが、ようやくアクセサリーが大活躍する季節になってきました。

この記事のために着用写真を何枚も撮りましたが、やっぱり格好良いですね。

右を見ればエルメスのシェーヌ・ダンクル、左を見ればティファニーのハードウェアな昨今、敢えて無機質でミニマルなこのブレスレットを身に着けることが、大人にふさわしいと思いませんか？

それでは、また。