これまでNothing Phone (3)については、Pixel 10との比較やグローバルのレビュー記事まとめ、Phone (2)との違いなどを中心に紹介してきました。



ただ、やはり実際に「自分の手で使ってみないとわからない部分」が多いのが実態です。
今回、これまで使っていたNothing Phone(2)がお亡くなりになったのをきっかけに、iPhone AirやPixel10とも迷ったのですがついにNothing Phone(3)の実機を購入しました。
スペック表や海外レビューだけでは見えてこなかった“リアルな使用感”をまとめてみました。
ゲーム性能やカメラの作例も交えて、Nothing Phone (3)の本当の実力を率直にレビューします。

- Nothingらしい美しいデザイン
- 50MP ×3構成(広角・超広角・望遠/)の高性能カメラ
- AnTuTuスコア200万超えで重いゲームも問題なし
- Glyph Matrixが想像より遥かに便利
- Essential Space機能がまだ未知数
まずは基本的なスペック
| 項目 | 仕様 |
|---|---|
| OS | Nothing OS 3.0(Android 15 ベース) |
| SoC(チップセット) | Qualcomm Snapdragon 8s Gen 4 |
| メモリ / ストレージ | 12GB / 256GB、16GB / 512GB(LPDDR5X + UFS 4.0) |
| ディスプレイ | 6.67インチ AMOLED(約2800×1260)/LTPO 1〜120Hzリフレッシュレート |
| ピーク輝度 | 最大約4,500 nits(HDRピーク・公称値) |
| リアカメラ | 50MP ×3構成(広角・超広角・望遠/OIS対応) |
| フロントカメラ | 50MP(パンチホール式) |
| バッテリー / 充電 | 5,150mAh、最大65W有線/15Wワイヤレス/5Wリバース充電 |
| サイズ | 160.6 × 75.59 × 8.99 mm |
| 重量 | 218g |
| 防水防塵 | IP68 |
| 生体認証 | 画面内指紋認証、顔認証 |
| オーディオ | ステレオスピーカー(Dolby Atmos対応) |
| 接続 | 5G、Wi-Fi 7、Bluetooth 5.4、NFC、USB Type-C(3.2 Gen2) |
| その他機能 |
おサイフケータイ(FeliCa対応) Glyph Matrix Essential(AI機能) |
デザインと質感:完成度がぐっと上がったNothingらしさ

箱から取り出してまず感じたのは、「質感がワンランク上がったな」ということでした。

前作までのNothing Phoneの象徴的なデザインだった背面全面のLEDライトは廃され、背面の右上にあるGlyph Matrixによるドットデザインに統合されました。
Phone (2)のデザインも十分に完成された美しさでしたが、Phone(3)はLEDライト部分がなくなった分、背面の透明な洗練されたデザインがより強調されています。
私も購入するまではしっくりきていなかったし、SNSでも賛否両論あったカメラの配置も、Glyph Matrixも含む全体の配置の巧さか、全然気になりませんでした。

フレームはマット仕上げで、手に触れたときのサラッとした質感が心地よく感じます。
独特な外観に注目されがちですが、 実際に手に取ると細かな造形でとても高級感のある質感だと分かります。
Masa独特で一目でNothing Phoneと分かるデザイン、チープさを感じない質感で、所有する満足度は他の追随を許さないと思います。

ベゼルも均等で端正な見た目。極細とまでは言えませんが、十分許容範囲です。

Glyph Matrixで使用するボタン。この写真はケースを付けているので立体的に見えますが、ケースのない状態だとボタンと気が付きませんでした。
ちなみにケースは最初から付属されているのですが、何故かGlyph Matrixの部分がカバーされていないのと、柔らかく衝撃に耐えれるか不安があったので安心のSpigenのケースを使っています。
付属のケースに比べると若干指紋が目立つ気もしますが、安心感は抜群です。

大切なカメラもしっかりカバー。裸の状態よりもカメラの出っ張りが少なくなるので、背面を下にして置いたときも傾きは少なくなります。

間違って押しちゃうで評判のEssential Spaceボタンは右側下部分に配置。
NothingのAI機能といえる部分ですが、正直まだ使いこなせてません。

ネットで調べごとをしている時に気になったらこのボタンを押してキャプチャし、メモしておくとサマリーを作成してくれたりします。
また、音声をレコーディングして議事録的な要約を作ってくれる機能も。
使いこなせたら便利、、、かもしれない。
パフォーマンスとゲーム性能:AnTuTuスコア200万超えの安定感

搭載チップはSnapdragon 8s Gen 3です。
実際にAnTuTuベンチマークを計測したところ、スコアは約200万点を記録しました。
ベンチマークテストを実施して温度は5℃上昇して45℃ほどと多少発熱はしています。
この数値の通り、動作は非常にスムーズで、アプリの起動や画面の切り替えもヌルヌル動きます。
原神やPUBG MOBILE、ドルフロ2といった重めのタイトルも快適に動作し、カクツキも発生しなかったです。ここはPhone(2)と比較して格段に良くなったポイントでした。
最高画質で長時間ゲームをすると、ある程度発熱はします。ただ、不快に感じるほどの熱さはありません。
Pixelシリーズはどうしてもゲーム性能がイマイチなので、Pixelと悩んでいる方で重いゲームをする方はPhone(3)で間違いないと思います。
カメラ性能と作例:AI頼りではない自然な描写
Nothing Phone (3)のカメラは、派手さよりも『自然さ』を重視した仕上がりです。
PixelシリーズのようにAI補正でゴリゴリに色味を盛るのではなく、目で見た印象に近い写真を撮影できます。







予めいい感じの設定がプリセットされているので、撮りたい写真の雰囲気に合わせて選択することができます。自分オリジナルのプリセットを作ることもできるので、お気に入りの組み合わせを考える楽しさがあります。

背景のボケ方も自然。AIで無理やりボケさせたような違和感はありません。



プリセットのRetroで撮影。とても雰囲気の出る良い設定だと思います。

こちらもプリセットのB&W Filmで撮影したもの。オシャレなウォーターマーク付きです。




Phone(3)になってズーム機能も格段に向上しました。
写真はデスクを1倍、2倍、3倍、6倍でそれぞれ撮影したもの。



写真に詳しくないので詳細は別の詳しいレビューをご覧いただきたいが、初心者ながら『Phone(3)は写真を撮るのが楽しい』という感覚で、この感覚が結構重要なのではと思ってます。
Glyph Matrixがスマホの体験を変えるかも
Nothing Phone(3)の最も大きな特徴と言えるのがGlyph Matrix。Phone(2)を使い始めてから、スマホは裏返してデスクに置く習慣が付いているので、この機能が想像以上に楽しい。

普段は時計を常時表示しています。バッテリーに多少影響はすると思いますが、折角Phone(3)を使ってるから外せない機能です。
スマホの常時表示はかなりバッテリーを食うので、むしろ裏返した状態のまま時計をサッと確認できるのはめちゃくちゃ便利。




時計以外にも、ジャンケンやタイマー、バッテリー、ちょっとしたゲームのような機能まであります。
Glyph ToysはGoogle Playストアで色々な機能を追加できます。


Essential通知機能を使うと、Glyph Matrixにルールを設定した通知のアイコンを表示してくれます。

SNSの通知や家族からの電話、メールなどは一目で背面で確認することができる良機能です。
バッテリーと充電:安心して1日使えるスタミナ
Nothing Phone (3)は5,150mAhの大容量バッテリーを搭載し、65Wの急速充電に対応しているほか、ワイヤレス充電にも対応。
バッテリー保ちも良く、動画視聴やSNS、ゲームを組み合わせても1日しっかり使い続けられます。
Phone(2)ユーザー待望のおさいふケータイ
これだけでもPhone(2)から買い換えてよかった機能です。やっぱりSuicaを別で持つのは、一度でもおさいふケータイを使ったことがある人にとって結構なストレス。
EX-ICやJAlタッチ&ゴーと組み合わせて出張最強スマホになりました。
総評:スペックではない、Nothingの体験を楽しむスマホ

Nothing Phone (3)は、スペック競争よりも「日々の使用体験」を重視したスマートフォンであることを再認識しました。
最新のandroid OSやGoogle独自のAI機能を使いたい!という方や、スペック至上主義の方にはお勧めしにくいですが、『デザイン・操作感・自然で楽しいカメラ描写』といった要素を大切にしている方には自信を持ってお勧めできます。
以下のような方はNothing Phoneを検討してよいのではないでしょうか。
- デザインにも使い心地にもこだわりたい方
- AI補正よりも自然な写真が好みの方
- ゲームや動画も安定して楽しみたい方
MasaNothingはついに「完成形」にたどり着いたと感じました。Phone (1)で見えた斬新さ、Phone(2)の正当進化から、Phone (3)でNothingが目指すこれからの新しいスマホが見えた気がします。
それでは、また。
























