MEMSドライバーの精密さと厚みのある低域、さらにブランド史上最強のANC(-55dB)を搭載したSOUNDPEATSのAir5 Pro+。実際に1か月ほど利用して感じた使用感について解説していきます。


まずは結論 — 15,380円でここまでやる?な“コスパ最高”のベストバイ候補

- MEMS + ダイナミックドライバー + 専用Class-低音の迫力はありつつもバランスの良い音域構成
- LDAC / aptX Lossless / Snapdragon Sound 対応。ハイレゾや高ビットレート配信に対応
- ブランド最⾼峰の -55dB アダプティブANC。十分すぎるスペック。電車での移動中もクリアな音を楽しめる
- 6基マイク + AIノイズリダクションの通話品質。特に通話ノイキャンは優秀
- ANC利用でのバッテリーの持ちは3時間程度。ここはもうちょい頑張ってほしかった
「高音質で最新機能も全部盛り」を1万円台で求める人に確実に刺さると思います。バランスの良い音域で万人受けするため、誰にでもお勧めしやすいイヤホンです。イヤホン難民はとりあえずこれ買っておけば満足できるはず。
外観・付属品
付属品

USB-C充電ケーブル、説明書、アプリ説明書、イヤーチップ(S/M/L)、ステッカーが付属しています。このあたりの付属品は最近のイヤホンだと一般的、大きな違いはないと思います。
外観について


ケースの質感は至って普通。割とコンパクトというくらいでしょうか。Nothing Earシリーズのような胸躍るデザインではありませんが、実用面でいえば十分だと思います。
Masa個人的には表と裏が分かりにくくて、ケースがちょっと開けにくいかな。金色のロゴがあるのが裏面なのですが、裏面を開けようとしがち。

一方、本体はゴールドとブラックで高級感のあるデザインで割と好みです。カラーはブラックの一色展開。
音質レビュー:Air5 Pro+は嫌な刺さりがなく高解像の音質を楽しめる

低域(10mmダイナミック)
デュアル銅線+PU/PEEKハイブリッド振動板により、低域は不自然なブーストではなく、自然だけどしっかり迫力を感じるバランス。私の好きなEDMでもリズムの輪郭がはっきりして十分に楽しめる一方、中域を潰さずにボーカルの透明感も保たれています。
Masaゴリゴリにブーストした低域に特化したイヤホンも楽しいですが、上品でジャンルを問わず楽しめるバランスだと思います。
中高域(MEMSドライバー “Cowell”)
xMEMSドライバーは中高域を担うドライバーですが、金属的な刺さりがないのが特徴。シンバルの弾けるような音も、アコースティック楽器の細かで繊細な音も気持ちよく聴けます。あれ、この音ってこんな余韻があったんだ、とか、今まで気が付かなかった音を拾えたりと、よく聞いていた曲にも新たな気づきがあって新鮮に音楽を楽しむことができます。
ボーカル
前述のとおり、ボーカルもクリアで非常に良い。特にAimerやアイナ・ジ・エンドのようなハスキーボイスのボーカルが個人的にめちゃくちゃ良かったです。ボーカルがしっかり前面に出るような調整ですごく好みでした。
音場感
MEMSの左右特性が揃いやすい点が効いて、定位の安定した広めの音場を感じます。ジャズやクラシックなど、音場の広がりを活かすジャンルも聴いてみましたが、やはり特に気持ちよく聴けました。
また60ms低遅延ゲームモードにも対応しているため、FPSでも十分に使うことが可能です。
Masaただ、逆に情報量が多すぎるため、足音とか必要な情報を強調して聴くようなFPS専用の用途だと別商品の方が良いかな。
ANC性能:ブランド最高の -55dB

1か月に亘り様々なシーンで使用してきましたが、それぞれの印象は以下の通りです。AIが装着状態を自動検知してくれるので、環境に応じてリアルタイムで効果を最適化してくれるようです。
- 電車:走行音や車内ノイズが大幅に低減します。とはいえ無音状態になるわけではなく、「遠くで何か音が鳴っているな」というような感覚。最近オープンイヤー型のイヤホンを使用していたこともあり、圧倒的に音楽に集中しやすいです。
- カフェ:周囲の会話がほとんど気にならないレベル。声は聞こえるけど、内容があまり頭に入ってこない、という印象。隣の席の会話って嫌でも耳に入って意識がそっちに流れることがありますが、それが無くなる、というイメージです(伝わるかな・・・)
- 生活音:ある程度軽減されるけど、無音というわけではない。高音の処理が少し苦手かな、と感じる部分もありました(キーボードのタイピング、爪切りの音など)
外音取り込み:自然で、会話モードが優秀
外音取り込みは自然な聞こえ方で、会話をそのまま行えるレベル。たとえば店員さんとの短いやり取り、家族に話しかけられた際など、いちいち外す必要は少ないです。
気になった点として、外音取り込み時に高音が耳に刺さることがあります。ANCの項目でも少し書きましたが、爪切り音は外音取り込み時にかなり強調されて鳴ることがあり、不快に感じるシーンもありました。
通話品質:音質は必要十分、通話ノイキャンが優秀

毎度のことながら、イヤホンをWEB会議や電話で毎日使用するため、マイク品質もイヤホン選びで非常に重要なポイントです。今回も、無音状態でのマイク音質と、裏側で大音量で音楽が流れた環境でのマイク音質の2パターンをテストしました。
無音状態での使用時
WEB会議、通話等で使う分には十分な音質。ただし、合計6基のマイクということで期待していた分、ちょっと物足りなさは感じます。若干こもったような音質ですね。
感覚としては、普段の仕事で使う分にはOKだけど、ウェビナーの収録とかでは使わないかな、という感じ。
裏側で音楽が流れた状態での使用時
一方、通話ノイズキャンセリングの性能はかなり高く感じます。裏側で大音量で音楽を流していますが、ほとんど聴き取れません。これは優秀ですね。出先での電話などでも心強い。
外では電話がかかってくると敢えてこのイヤホンを着けて電話に出る程度には信頼しています。
バッテリー:出張でフルに使っても2日間は余裕
イヤホン単体で約6時間、ケース込みで約30時間のバッテリー性能のほか、急速充電(10分で約2時間再生可能)をサポートしています。
外出の移動時に音楽を聴く、などの一般的な使い方なら全く問題ないバッテリー性能です。
ただ、ANCオンにした際にはイヤホン単体での使用可能時間は3時間程度になります。WEB会議などでの利用には不十分な印象。ANCをオフにすればよいだけではあるのですが、ここだけもうちょっと頑張って欲しかったと思う唯一の惜しい点です。
SOUNDPEATSの他機種との比較(Air5 Pro+ / Capsule3 Pro+ / H3)
SOUNDPEATSは多数のイヤホンを販売しており、多くの人が気になる「で、どれ買うのがベストなの?」の参考にしていただきたく、スペック比較をまとめました。
スペック比較
| 項目 | Air5 Pro+ | Capsule3 Pro+ | H3 |
|---|---|---|---|
| ドライバー構成 | MEMS「Cowell」+10mmダイナミック(PU+PEEK+デュアル銅線) | MEMS「Cowell」+ダイナミック | 10mmダイナミック ×1 + BA ×2 |
| パワーアンプ | XAA-Aptos Class-H 搭載 | 搭載(XAA-Aptos) | ー |
| Snapdragon Sound | 対応 | 非対応 | 対応 |
| LE Audio | 対応 | 非対応 | 非対応 |
| 対応コーデック | SBC / AAC / LC3 / LDAC / aptX / aptX Adaptive / aptX Lossless | SBC / AAC / LDAC | SBC / AAC / LDAC / aptX / aptX Adaptive / aptX Lossless |
| Bluetoothチップ | QCC3091 | WQ7033AX | QCC3091 |
| 最大再生時間(ケース込み) | 30時間 | 43時間 | 37時間 |
| 急速充電 | 10分 → 2時間 | 非対応 | 10分 → 2時間 |
| ANC性能 | -55dB(AIアダプティブANC) | -45dB | -55dB |
| 通話ノイズ処理 | SOUND+ | ENC | CVC |
| ゲームモード | 60ms | 70ms | 60ms |
| 防水性能 | IPX4 | IPX4 | IPX5 |
| 価格 | 15,380円 | 13,880円 | 15,880円 |
Capsule3 Pro+の立ち位置
実際に持っているわけではないのでスペックベースですが、このSOUNDPEATSのなかでも人気の3機種のなかで一番わかりやすい立ち位置だと思うモデルです。
Capsuleは音楽をしっかり楽しめる音質を維持しつつ、より日常使いに即したモデルという印象。
Air5 Pro+ と比較すると、
- LDAC対応ではあるが aptX系には非対応
- ANCは -45dB(1ランク下)
- 価格が少し安い(13,880円)
- バッテリー持ちが最長 43時間
ドライバー方式も勿論違うのですが、私が特に気になったのはこれらの違いです。静かな環境で集中して高解像度の音楽を楽しむ、というよりも、日常に寄り添って音楽を長時間楽しむことに特化した(Air5 Pro+に比較すると)機能の省略と見受けられました。
Air5 Pro+とH3との違い
価格もほぼ同水準で、どっちを買うべきか悩ましいのがこの2機種。
H3を持っていないため同じくスペックベースでの想像が入りますが、H3は音質一点突破(1DD+2BA)の仕様、Air5 Pro+ は最新要素を全部盛りした万能フラッグシップという立ち位置ではと考えています。
MEMS × ダイナミック × Class-H アンプの“最新世代ハイブリッド構成”

H3は1DD + 2BA(3ドライバー)のいわゆる一般的な“マルチドライバー”型なのに対し、Air5 Pro+はMEMS(Cowell)+ 10mmダイナミックを採用し、Class-Hアンプ(XAA-Aptos)を搭載しています。
特に Class-Hアンプ搭載はAir5 Pro+独自 で、“低歪み”“低消費電力”“高出力”を両立する最新設計のようです。
次世代のBluetoothオーディオのLE Audio対応
Air5 Pro+は汎用性の高いSBC/ AAC、LDACなどに加え、次世代BluetoothオーディオのLE Audio(LC3)に対応しています。LE Audio専用の新しいコーデックであるLC3に対応し、今後はマルチポイントの安定性や省電力の観点で、LC3対応が主流になっていくため、この最新コーデックに対応している点もポイントとなってきます。
通話ノイズキャンセリング方式の違い
Air5 Pro+はSOUND+というSOUNDPEATSの独自アルゴリズムを採用し、声の輪郭協調、周囲ノイズのAI判別、マイク処理の最適化が行われます。一方、H3は従来のCVC(Celar Voice Capture)技術が使われています。
技術的にどちらが優れているかは明言が難しいですが、利用経験上はCVCを採用したイヤホンに比べてより声の明瞭感が高いと感じます。また、個人的には自社最新技術を盛り込んできたことを高く評価したいと思います。
要するに
Air5 Pro+は最新のテクノロジーを詰め込んだ万能型なイヤホンなので、悩んだらこれを買っておけば間違いないです、と様々調べた結論としてお伝えしたいと思います。
Air5 Pro+ はこんな人におすすめ
正直よほどブランド名だけで買うものを決める人以外には、万人に勧めたいお気に入りのイヤホンなのですが、強いて挙げるなら以下のような方々です。
- 音質にこだわるオーディオファン(ハイレゾやLDACを活かせる端末を持っている人は特に!!)
- ボーカルの表現力を重視する方、ジャンルを問わず色々な音楽を聴く方
- 音質だけじゃなくて高品質なANCも欲しい、しかもコスパ良く!という方
まとめ

SOUNDPEATS Air5 Pro+ は、MEMS × 10mmダイナミック × 専用Class-Hアンプというハイブリッド構成で、「高い解像感」と「心地よい音楽の体験」を両立している万能型の完全ワイヤレスイヤホンです。
ANCや通話機能、コーデック対応まで含めた総合力は 15,380円 という価格帯では圧倒的な魅力ではないでしょうか。
めちゃくちゃ気に入っているのですが、妻に試してもらったところ大変気に入ってしまい、妻のメインイヤホンとなることに決定しました・・・。
私のようにある程度色々なイヤホンを経験してきたガジェット好き/イヤホン好きにとっても、妻のようなイヤホンに数多くは触れてこなかったユーザーにも気に入られる素晴らしいイヤホンです。
それでは、また。























