「耳をふさがないイヤホン=音質は二の次」というイメージを持っていませんか?
SOUNDPEATS Clip1は、その常識を覆す1台でした。イヤーカフ型で片耳約5gの軽量設計、LDAC対応によるハイレゾ再生、そして12mmの大口径ドライバーを搭載。軽快な装着感と迫力ある低音を両立しています。
オープンイヤー型のイヤホンだと、骨伝導のShokz OPENCOMM2をWEB会議専用イヤホンとして使用していましたが、骨伝導ということもあり正直「音楽を楽しむ」というタイプのイヤホンではありませんでした。
今回、SOUNDPEATS Clip1を数週間に亘ってプライベートや仕事中の音楽鑑賞やWEB会議、電話等で実際に使ってみたので、その感想を交えながらレビューしたいと思います。
- オープン型の期待を超える迫力のサウンド
- オープン型&イヤーカフデザインで着用ストレスがない
- 仕事での利用も問題ないマイク性能
- 連続のWEB会議でも十分なバッテリー性能
- 耳の形によって装着感は個人差がありそう
- 装着のポジションによって音質の体感が変わる
- タッチコントロールはちょっと使いにくい


同梱物

イヤホン本体、ケース、USBケーブル、ユーザーガイド、ステッカーと同梱物はシンプルです。
よくある交換用のイヤーピースもオープンイヤー型のため付属していません。
ユーザーガイドも付いてはいますが、最初にSOUNDPEATSのアプリをスマホに入れておけば、特にガイドを見なくても感覚的に使えます。
主な仕様

- ドライバー:チタンPVDコーティング12mm デュアルマグネット ダイナミックドライバー+独自のDynamicEQ™Pro
- コーデック:SBC / AAC / LDAC
- ハイレゾ認証:対応
- Bluetooth:5.4、マルチポイント対応
- 再生時間:イヤホン単体:最大8時間 ケース込み:最大40時間 ※急速充電10分で約2時間再生
- 防水性能:IPX5
- 重量:約5g(片耳)
- その他機能:AutoSense™(左右自動認識)、AeroVoice™(風切り音低減)、低遅延ゲームモード、装着検出、落下検知(対応予定)
実際に使ってみて良かった点、気になった点
装着感:片耳5gの軽さと安定性

良かった点
実際に装着してまず感じたのは「めちゃくちゃ軽い」ということ。仕事中は移動中のWEBミーティング参加などでほぼ終日着けたままでしたが、正直存在を忘れるほどで驚きました。骨伝導イヤホンのように耳にかけるタイプでもなく、装着時の違和感も全然ありません。0.6mmニッケルチタン合金採用のN-Flex Arch™構造が良いのか、クリップ型ではあるのですが圧迫感は感じず、耳にフィットするよう調整しても耐久性に関しても問題なさそうです。
ShokzのOPENCOMM2はコロナ禍の長時間WEB会議が続くタイミングで使用していたのですが、耳にかけるタイプのためどうしてもマスクを着用すると干渉します。その点、SOUNDPEATS Clip1はマスク使用時にも干渉しないのが非常に良いです。私は眼鏡をしていませんが、眼鏡ユーザーにとっても良い選択肢になりそう。
頭を振ったり、軽く走ったりしても外れたことはなく、デスクでの利用だけでなく、移動中でも安心して使えました。
気になった点
ただ、装着感については正直個人差はあると思います。私自身は全く問題なく耳にフィットしましたが、妻が試したところ「耳の形に合わず安定する位置が見つからない」との感想でした。
短時間の使用だったのでまだ慣れていないだけのような気もしますが、耳の形状によってはフィット感に差が出る可能性はありそう。
音質:オープン型の期待を超える迫力

良かった点
Clip1で最も驚いたのは音質の良さです。オープン型はどうしても低音が弱いイメージがありましたが、このモデルは12mmの大口径ドライバーとDynamicEQ Proの効果で、しっかりと低音が響きます。


イコライザーで結構細かくカスタマイズできるのですが、圧倒的にDynamicEQがオススメ。
ポップスではクリーンな高域、EDMではキックの存在感がありつつ、ボーカルも埋もれにくい良いバランス。ながら聴き用だから音質は二の次、という先入観を吹き飛ばすクオリティでした。特に私はAndroidのスマホを使用しているため、LDACを使用した際の音の再現度がかなり高いと感じました(※)。移動中の外部の音も聞きたいとき専用かな、と思っていましたが、現在は音質の良さからあらゆる場面で使っています。
(※)iPhoneはLDACに対応していないため、AACでの接続になります。
気になった点
一方で注意点もあります。装着ポジションによって音の印象がかなり変わるため、耳に合う位置を探すのに少し試行錯誤が必要です。ポジションが決まれば、オープン型とは思えない満足度の高いサウンドを楽しめます。
また、オープン型の宿命かもしれませんが、都内の混雑している駅のなかなど騒音が多い場所では、外部の音が聞こえすぎて通話時の声が聞き取りにくい場面がありました。一方、新幹線内のアナウンスなど聞きたい情報は通常のイヤホンより聞き取りやすいです。
どういうシーンで多用したいか次第でメリットにもデメリットにもなりうるかと思います。
バッテリーと充電:仕事でもプライベートでも問題なし

良かった点
Clip1は急速充電に対応しており、10分の充電で約2時間再生可能。出かける前に軽く充電しておけば安心感があります。
イヤホン単体でも最大8時間連続使用とバッテリーの保ちも十分なので、連続したWEB会議などでもバッテリーの心配をせずに使うことができました。
細かく連続使用時間まで計測していませんが、体感はスペック通りのバッテリー性能だと感じてます。
気になった点
特になし
日常での使用感

良かった点
日常使いで特に便利だったのがAutoSense™(左右自動認識)です。お客様と仕事でお会いするタイミングなど、ポケットにイヤホンをケースに入れずに突っ込むことがよくあるのですが、左右の区別を意識せず、適当に耳に着けるだけで正しいステレオ再生になるのは想像以上に快適でした。
また、久しぶりのオープンイヤー型イヤホンでしたが、やはり耳をふさがない構造は非常に良いです。WEB会議が連続するとイヤホンを付けっぱなしになりがち。そういう時、オープンイヤー型は通気性が高いため圧倒的に快適です。外耳炎や鼓膜への負担を避けたい方にとっても良い選択肢だと思います。
気になった点
タッチコントロールを採用しているのですが、誤操作防止のためかダブルクリック、トリプルクリックにしか対応していません。シングルクリックにも対応するか、いっそのこと物理ボタンにしてくれた方が好みだったかなぁとは思います。トリプルクリックは正直面倒ですね。また、反応も少し遅く、操作から1秒程度かかって反応するのも少し気になります。
マイク音質テスト
個人的には、イヤホンをWEB会議や電話で毎日使用するため、マイク品質もイヤホン選びで非常に重要なポイントです。
今回、無音状態でのマイク音質と、裏側で音楽が流れた状態でのマイク音質の2パターンをテストしました。
無音状態での使用時
マイク音質としては十分合格点だと思います。WEB会議での使用も全く問題ないと判断しました。
裏側で音楽が流れた状態での使用時
一方で、裏側でかなり音量を大きめにBGMを流した時のマイクテストはこちら。裏側で音楽が流れているのが少し聞こえると思います。喫茶店や新幹線、駅構内など、騒がしい箇所でのWEB会議での使用は少し厳しいかと思います。
ご参考までに、別のイヤホンでマイク音声のテストをした記事はこちらです。

まとめ:SOUNDPEATS Clip1は「ながら聴きの最適解」と言ってよさそう

SOUNDPEATS Clip1は「軽い・快適・安全」というイヤーカフ型の利点を持ちつつ、音質でも妥協しないのが最大の魅力だと感じました。
どうしても没入感や低音が物足りない、となりがちなオープンイヤーのイヤホンですが、正直ながら聴き向けにここまでやる?というSOUNDPEATSの強いこだわりを感じたイヤホンでした。
特に仕事で使うとめちゃくちゃ便利なので、私のメインイヤホンとして今後も使用していく予定です。
それでは、また。
























